タグ:名言集, 坂口安吾名言集, 恋愛, 結婚, 愛, 希望, 真理, 生活, 処世, 人生, 戦争, 思想, 自己, 創作

2026/01/22 (木) 更新
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コンテンツ
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| No | 分類 | 名言 | 作品 | 書籍等 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 恋愛 | だいたい恋愛などというものは、偶然なもので、たまたま知り合ったがために恋し合うにすぎず、知らなければそれまで、又、あらゆる人間を知っての上での選択ではなく、少数の周囲の人からの選択であるから、絶対などというものとは違う。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 2 | 恋愛 | プラトニック・ラブと称して、精神的恋愛を高尚だというのも妙だが、肉体は軽蔑しないほうがいい。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 3 | 恋愛 | 永遠の恋などは嘘の骨頂だとわかっていても、それをするな、といい得ない性質のものである。それをしなければ人生自体がなくなるようなものなのだから。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 4 | 恋愛 | 孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 5 | 恋愛 | 誰しも夢の中で呼びたいような名前の六ツや七ツは持ち合せているだろう。一ツしか持ち合せませんと云って威張る人がいたら、私はそんな人とつきあうことを御免蒙るだけである。 | 我が人生観 | 『我が人生観(一)生れなかった子供』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 6 | 恋愛 | 恋なしに、人生は成りたたぬ。所詮人生がバカげたものなのだから、恋愛がバカげていても、恋愛のひけめになるところもない。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 7 | 恋愛 | 恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡び、さめるものだ、ということを知っている大人の心は不幸なものだ。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 8 | 恋愛 | 恋愛などは一時的なもので、何万人の女房を取り換えてみたって、絶対の恋人などというものがある筈のものではない。探してみたい人は探すがいいが、私にはそんな根気はない。 | 我が人生観 | 『我が人生観(一)生れなかった子供』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 9 | 恋愛 | 恋愛は、言葉でもなければ、雰囲気でもない。ただ、すきだ、ということの一つなのだろう。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 10 | 恋愛 | 恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 11 | 恋愛 | 恋愛は人間永遠の問題だ。人間ある限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと私は思う。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 12 | 恋愛 | その娘は | 牧水の婚礼 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 13 | 恋愛 | 我々は所詮女の敵ではあり得ないのだ。彼等は腕力すぐれ、常に悪智恵をはたらかし、ことあるたびに人をだまし、 | 牧水の婚礼 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 14 | 恋愛 | 酔うことはすべて苦痛で、得恋の苦しみは失恋の苦しみと同じもので、女の人と会い顔を見ているうちはよいけれども、別れるとすぐ苦しくなって、夜がねむれなかったりするものである。 | 酒のあとさき | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 15 | 恋愛 | 得恋は失恋と同じ苦痛と不安と狂気にみちている。 失恋と同じ嫉妬にすら満ちている。 | 二十七歳 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 16 | 恋愛 | 私はこの本(注:ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ『危険な関係』の | 三十歳 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 17 | 恋愛 | 私自身は、惚れた女に別れただけで、いつとなく、死の翳が身にしみついているというテイタラクである。たかが一人の女に、と、いくら苦笑してみても、その死の翳が、現に身にさしせまり、ピッタリとしみついているではないか。みじめな小ささ。いかにすべき。わがイノチ。もがいてみても、わからない。 | 死と影 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 18 | 結婚 | 苦しめ、そして、苦しむのだ。それが人間の当然の生活なのだから。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 19 | 結婚 | 夫婦は愛し合うと共に憎しみ合うのが当然である。かかる憎しみを恐れてはならぬ。正しく憎み合うがよく、鋭く対立するがよい。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 20 | 結婚 | 夫婦は苦しめ合い、苦しめ合うのが当然だ。慰めいたわるよりも、むしろ苦しめ合うのがよい。人間関係は苦痛をもたらす方が当然なのだから。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 21 | 結婚 | 魅力のない女は、これはもう、決定的に悪妻なのである。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 22 | 結婚 | 遊ぶことの好きな女は、魅力があるにきまってる。多情淫奔ではいささか迷惑するけど、迷惑、不安、懊悩、大いに苦しめられても、それでも良妻よりはいい。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 23 | 結婚 | 誰でも、さ。誰の魂でも、路傍でない魂なんて、あるものか。夫婦は一心同体だなんて、馬鹿も休み休み言うがいいや | 私は海をだきしめていたい | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 24 | 愛 | いったい言葉が何物であろうか、何ほどの値打ちがあるのだろうか、人間の愛情すらもそれだけが真実のものだという何のあかしも有り得ない、生の情熱を託すに足る真実なものが果たしてどこに有り得るのか、すべては虚妄の影だけだ。 | 白痴 | 『白痴』 新潮文庫 |
| 25 | 愛 | 老醜の恐怖というものが今まざまざと主婦の眼前にひらけ始めて、どのような男でもいい、死損いでも構わない、何かしらに縋りついていなければならぬ。 (中略) それは愛情の声ではなく、衰えはじめた年齢の又肉体の声だった。 | 孤独閑談 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 26 | 希望 | 一流たるべき人間は、はじめから、時代の中へとびこむにきまっており、ジャズや、ストリップや、そういう最も世俗的な、俗悪なものの中から育ってくるにきまったものだ。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 27 | 希望 | 強制せられたる結果とは云え、凡人も | 特攻隊に捧ぐ | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 28 | 希望 | 青年の尊さは真理と正義への愛によって打算を去るところにあるので、私は維新の志士などよりも、先日発疹チブスで死んだという医大生の生き方とその情熱のあり方をより高く評価するものです。 | 青年に | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 29 | 希望 | オイシイ物を、オイシク食べてもらうことをたのしむという料理屋が、たくさん生まれて欲しいものだ。何職業であれ、職業をたのしむ心が大切なのだが、それが要するに、文化の本当の地盤なのだろう。 | ちかごろの酒の話 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 30 | 希望 | 青春は絶望する。なぜなら大きな希望がある。少年の希望は自在で、王者にも天才にも自ら化して夢と現実の区別がないが、青春の希望の裏には、限定された自我がある。わが力量の限界に自覚があり、希望に足場が失われている。 | 暗い青春 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 31 | 真理 | あらゆる自由が許された時に、人ははじめて自らの限定とその不自由さに気づくであろう。 | 咢堂小論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 32 | 真理 | いかなる典雅な古典も、それが過去において真に生きていた時には、俗悪な実用品にすぎなかったのである。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 33 | 真理 | すべて娯楽教養に類するものは、教養の不足に罪のあるのを忘れて、娯楽自体を禁止しようとする暴力的な弾圧を最もつつしむ必要がある。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 34 | 真理 | 悪意はなくとも、無智ということ自体が罪だ。悪意がないだけ、救いがない。 | 安吾風流譚 | 『我が人生観(八)安吾風流譚』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 35 | 真理 | 技術は理窟では習得しがたく、又律しがたいものである。 | FARCEに就て | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 36 | 真理 | 見たところのスマートさだけでは、真に美なる物とはなり得ない。すべては、実質の問題だ。美しさのための美しさは素直でなく、結局、本物の物ではないのである。要するに、空虚なのだ。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 37 | 真理 | 元来、共産主義の如くに、理想を知って、現実を知らず、その自らの反現実性に批判精神の欠如せるものは、専制、ファッショの徒にほかならぬである。 | 戦争論 | 『戦争論』 青空文庫POD(ポケット版) |
| 38 | 真理 | 原子バクダンの発明以来、文明はその極限に来たかのような考え方が少からず行われているようであるが、原子バクダンなどというものは人を叩きつぶすだけの道具で、人を殺すぐらいカンタンなものはありやしない。 | 安吾風流譚 | 『我が人生観(八)安吾風流譚』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 39 | 真理 | 原子バクダンを発見するのは、学問じゃないのです。子供の遊びです。これをコントロールし、適度に利用し、戦争などせず、平和な秩序を考え、そういう限度を発見するのが、学問なんです。 | 教祖の文学 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 40 | 真理 | 現代の代表的な建築は、法隆寺や東照宮を摸し、幽玄や、風流や、粋をさぐったものからは生れてこないにきまっている。もっと時代的な俗悪なもの、実用的なものが、後日において、法隆寺と同じ位置に到達するものなのだ。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 41 | 真理 | 古いもの、退屈なものは、亡びるか、生れ変るのが当然だ。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 42 | 真理 | 子供の胸にひめられている苦悩懊悩は、大人と同様に、むしろそれよりもひたむきに、深刻なのである。 (中略) そういう自責や苦悩の深さは七ツの子供も四十の男も変りのあるものではない。 | 風と光と二十の私と | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 43 | 真理 | 子供を信頼せず、あんまり疑ると、そんなに疑るなら本当にやってしまえ、という気持が次第にたかまり、口実あらば実行せん構え十分になるのが普通である。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 44 | 真理 | 寺があって、後に、坊主があるのではなく、坊主があって、寺があるのだ。寺が無くとも、良寛は存在する。若し、我々に仏教が必要ならば、それは坊主が必要なので、寺が必要なのではないのである。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 45 | 真理 | 自然にまさろうとは、俗悪千万な。万人はそれを諦めるが、少数のミイラだけが諦めない。異様な願望だ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 46 | 真理 | 自分の身体のどんな小さなもの、一本の髪の毛でも眉毛でも、僕らに分からぬいのちが女の人には感じられるのではあるまいか。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 47 | 真理 | 終戦後、我々はあらゆる自由を許されたが、人はあらゆる自由を許されたとき、自らの不可解な限定とその不自由さに気づくであろう。人間は永遠に自由では有り得ない。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 48 | 真理 | 純などというのはつまらぬ時間の差で、しかも甚しく誤差の起りやすい要素をふくみ、わが子に対してそんな判断で安心していると、長じて忽然と妖怪化して手に負えなくなるのである。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 49 | 真理 | 小さな自己への怖れを知る人でなくては、物の正しい姿を認定することはできない。 | 我が人生観 | 『我が人生観(三)私の役割』 Kindle版 |
| 50 | 真理 | 親というものは、子供は案外シッカリしているということを銘記する必要がある。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 51 | 真理 | 人は肉慾、慾情の露骨な暴露を厭う。然しながら、それが真実人によって愛せられるものであるなら、厭うべき理由はない。 | 欲望について――プレヴォとラクロ―― | 『欲望について: 国会図書館復刻版』 Kindle版 |
| 52 | 真理 | 人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 53 | 真理 | 人間というものはベラボーなオプチミストでトンチンカンなわけの分らぬオッチョコチョイの存在 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 54 | 真理 | 人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり、脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 55 | 真理 | 人間の尊さは自分を苦しめるところにあるのさ。満足はだれでも好むよ。けだものでもね。 | 風と光と二十の私と | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 56 | 真理 | 人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 57 | 真理 | 人生の疲労は年齢には関係がない。 | いずこへ | 『風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇』 岩波文庫 |
| 58 | 真理 | 俗なる人は俗に、小なる人は小に、俗なるまま小なるままの各々の悲願を、まっとうに生きる姿がなつかしい。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 59 | 真理 | 他の発見のないところに真実の文化が有りうべき筈はない。自我の省察のないところに文化の有りうべき筈はない。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 60 | 真理 | 大体に於いて、極点の華麗さには妙な悲しみが付きまとう。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫日本文化私観 |
| 61 | 真理 | 中立などというものは議会政治の邪魔者に過ぎない。 | 咢堂小論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 62 | 真理 | 伝統とは何か? 国民性とは何か? 日本人には必然の性格があって、どうしても和服を発明し、それを着なければならないような決定的な要因があるのだろうか。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 63 | 真理 | 肉慾に絶望して、肉慾の実行を抛棄しても、肉慾から解放されることはできないものだ。それは遁世しても真の孤独をもとめ得ないのと同じことだ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 64 | 真理 | 美しいもの、楽しいことを愛するのは人間の自然であり、ゼイタクや豪奢を愛し、成金は俗悪な大邸宅をつくって大いに成金趣味を発揮するが、それが万人の本性であって、毫も軽蔑すべきところはない。 | デカダン文学論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 65 | 真理 | 法隆寺も、金色堂も、東照宮も、威勢を示してアッと云わせて、ついでにオサイセンもまきあげてやろうという料簡でできたもので、その時代に於ける最大なる俗悪精神の産物であった。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 66 | 真理 | 歴史というお手本などは生きるためにはオソマツなお手本にすぎないもので、自分の心にきいてみるのが何よりのお手本なのである。 | 教祖の文学 | 【朗読CD】坂口安吾教祖の文学―小林秀雄論―他3編(CD1枚) しみじみ朗読文庫 |
| 67 | 真理 | 徳川幕府の思想は四十七士を殺すことによって永遠の義士たらしめようとしたのだが、四十七名の堕落のみは防ぎ得たところで、人間自体が常に義士から凡俗へ又地獄へ転落しつづけていることを防ぎうるよしもない。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 68 | 真理 | 乏しきに耐える精神などがなんで美徳であるものか。必要は発明の母と言う。乏しきに耐えず、不便に耐え得ず、必要を求めるところに発明が起り、文化が起り、進歩というものが行われてくるのである。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 69 | 真理 | 日本の精神そのものが耐乏の精神であり、変化を欲せず、進歩を欲せず、憧憬賛美が過去へむけられ、たまさかに現れいでる進歩的精神はこの耐乏的反動精神の一撃を受けて常に過去へ引き戻されてしまうのである。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 70 | 真理 | 大人はずるいものだ。表と裏が別で、口では正義を説きながら裏では利慾をはかり、自らの為し得ざることを人には要求し、カラクリだの陰謀術数を人生の経験とし、これを称して人間ができているとか、大人物だとか、申しています。 | 青年に | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 71 | 真理 | 酒は君、偉大なる人間の理性を | 木枯の酒倉から | 『木枯の酒倉から・風博士』 講談社文芸文庫 |
| 72 | 真理 | 大切なのは | ちかごろの酒の話 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 73 | 真理 | キリストが淫売婦にぬかずくのもこの曠野のひとり行く道に対してであり、この道だけが天国に通じているのだ。何万、何億の堕落者は常に天国に至り得ず、むなしく地獄をひとりさまようにしても、この道が天国に通じているということに変わりはない。 悲しい | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 74 | 真理 | 美しいもの、楽しいことを愛するのは人間の自然であり、ゼイタクや豪奢を愛し、成金は俗悪な大邸宅をつくって大いに成金趣味を発揮するが、それが万人の本性であって、毫も軽蔑すべきところはない。 | デカダン文学論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 75 | 真理 | 法隆寺も、金色堂も、東照宮も、威勢を示してアッと云わせて、ついでにオサイセンもまきあげてやろうという料簡でできたもので、その時代に於ける最大なる俗悪精神の産物であった。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 76 | 真理 | 酒は、魔術なのだから。俗でも、浅薄でも、敵が魔術だから、知っていても、人智は及ばぬ。ローレライです。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 77 | 真理 | (隠元が)日本渡来の事業として布教よりも第一に万福寺の建築に心血をそそいだという彼も好きです。最高の内容主義はやがて最高の形式主義に至らざるを得ないからです。 | 女占師の前にて | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 78 | 真理 | 人間は目的のない仕事、陽の目を仰ぐ筈がないと分かりきった仕事をすることが如何に不可能なものであるか、厭というほど思い知った。 | 魔の退屈 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 79 | 生活 | われわれがそれ(一流の芸術)を期待してよろしいのは、ジャズや、ストリップのような、時代的に最も俗悪なもののなかからだ。最も多くの志望者と切実な生活の中から現れてくるのだから。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 80 | 生活 | 私は、勤倹精神だの困苦欠乏に耐える精神などというものが嫌いである。 | 欲望について――プレヴォとラクロ―― | 『欲望について: 国会図書館復刻版』 Kindle版 |
| 81 | 生活 | 女の人は秘密が多い。男が何の秘密も意識せず過ごしている同じ生活の中に、女の人は色々の微妙な秘密を見つけ出して生活しているものである。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 82 | 生活 | 職業というものは尊いものだ。なぜなら、そこにその人の一生が賭けられ、生活が賭けられているからだ。金銭もかけられている。だから尊いので、金銭のかからないものは尊くない。 | 戦後新人論 | 『戦後新人論』 青空文庫POD(大活字版) |
| 83 | 生活 | 粋とか通とかいわれることが、すでに大衆の中に生きていないことのハッキリした刻印なのだ。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 84 | 生活 | 大衆の中に生きている芸術は、常に時代的で、世俗的で、俗悪であり、粋や通という時代から取り残された半可通からはイヤがられる存在にきまったものだ。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 85 | 生活 | 能の舞台を見たいとは思わない。もう我々には直接連絡しないような表現や唄い方を、退屈しながら、せめて一粒の砂金を待って辛抱するのが耐えられぬからだ。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 86 | 生活 | 労働に対する報酬が生活の基礎なのだから、労働に対して常に適当に報われるという秩序が確立しなければ、他の秩序も礼儀も行われやしない。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その二 大岡越前守』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 87 | 生活 | 俺にもこの白痴のような心、幼い、そして素直な心が何よりも必要だったのだ。俺はそれをどこかへ忘れ、ただあくせくした人間共の思考の中で、うすぎたなく汚れ、虚妄の影を追い、ひどく疲れていただけだ。 | 白痴 | 『白痴』 新潮文庫 |
| 88 | 生活 | 現世的に俗悪であっても、仕事が不純でなく、傑れたものであれば、それでよろしいので、日本の従来の考え方の如く、シカメッ面をして、苦吟して、そうしなければ傑作が生れないような考え方の方がバカげているのだ。 | 大阪の反逆 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 89 | 生活 | 「ウム、安吾さんよ。まさしく、歯は痛いもんじゃよ。歯の病気と生殖器の病気は、同類項の陰鬱じゃ」 うまいことを言う。まったく、陰にこもっている。してみれば、借金も同類項だろう。借金は陰鬱なる病気也。不治の病い也。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 90 | 生活 | 働く者はみんな食える、貧乏はない、ということは此の如く死の如く馬鹿阿呆の如く平穏であることを銘記する必要がある。人間の幸福はそんなところにはない。泥棒し、人殺しをしても欲しいものが存在するところに人間の真実の生活があるのだ。 | 魔の退屈 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 91 | 生活 | 内臓の疾患などは、その知識のない患者にとって如何とも施す術がないけれども、精神の最上の医者は、自分以外にはいない。 | わが精神の周囲 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 92 | 処世 | そんなに疑るなら、疑られるようになってみせるわ、というようなインネンのつけ方は子供には最もありがちな通俗なものだ。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 93 | 処世 | 罪というものは、本人が悔恨に苦しむことによって、すでに救われている。悪人の心は悲しいものである。ところがここに善人の犯罪というものがあって、自ら罪を感じない場合がある。 | 我が人生観 | 『我が人生観(八)安吾風流譚』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 94 | 処世 | 私は悪人です、と言うのは、私は善人ですと、言うことよりもずるい。 | 私は海をだきしめていたい | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 95 | 処世 | 自殺は、学問じゃないよ。子供の遊びです。はじめから、まず、限度を知っていることが、必要なのだ。 | 教祖の文学 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 96 | 処世 | 自分がこうだから、あなたもこうしろという思いあがった善良さは、まことに救いがない。善人の罪というものは、やりきれないものだ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(八)安吾風流譚』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 97 | 処世 | 自分の方からこうしたいとは言わず、又、言い得ない。その代り押しつけられた事柄を彼等独特のずるさによって処理しておるので、そしてその受身のずるさが、 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 98 | 処世 | 崇高な殺人などを冷静に考える低能には救いがない。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 99 | 処世 | 精神などというものも、物質に換算できる限り、換算して精算した方が、各人に便利でもあり、清潔でもあるし、幸福でもあると考えている。 | 我が人生観 | 『我が人生観(一)生れなかった子供』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 100 | 処世 | 精神的な孤独人―実は非常に交友関係がひろく、世間的な生き方をしている人でも、いつでもそれを突き放し、それを去ることができるような、根に無関心が土台になっているうちは、精神病が起りッこない。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 101 | 処世 | 酒は殆ど中毒を起さない。先日、さる精神科医の話によると、特に日本には真性アル中というものは殆どない由である。 けれども、酒を麻薬に非ず、料理の一種と思ったら、大マチガイですよ。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 102 | 人生 | いくら、なんでも、とにかく、大らかな心を忘れたもうな。自分の生活の中から、ハッキリした自分の言葉を選び、自分の言葉で物を言うことを覚えたまえ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(三)私の役割』 Kindle版 |
| 103 | 人生 | いのちの代償が計算はずれの安値では信念に死んでも馬鹿な話で、人々は十銭の茄子を値切るのにヒステリイは起こさないのに、命の取引に限ってヒステリイを起こしてわけもなく破産を急ぐというは決して立派なことではないだろう。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 104 | 人生 | かんべんしてやる。これからは人をそそのかして物を盗ませたりしちゃいけないよ。どうしても悪いことをせずにいられなかったら、人を使わずに、自分一人でやれ。善いことも悪いことも自分一人でやるんだ。 | 風と光と二十の私と | 『風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇』 岩波文庫 |
| 105 | 人生 | こんな女に誰がした、という無自覚、無責任な魂は、反抗などすべきではなく、どこまでも、こんな女にされていくのがよろしいのである。 | 戦争論 | 『戦争論』 青空文庫POD(ポケット版) |
| 106 | 人生 | すぐれた魂ほど、大きく悩む。大きく、もだえる。 | 太宰治情死考 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 107 | 人生 | つまり、本当に孤独になるということと、本当に性慾から解放されるということは、どこまで生きてもあり得ない。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 108 | 人生 | ほんとの幸福というものはこの世にないかも知れないが、多少の幸福はきっとある。 | 安吾さんの太平洋戦争 | 『安吾さんの太平洋戦争』 PHP文庫 |
| 109 | 人生 | めいめいが各自の独自なそして誠実な生活をもとめることが人生の目的でなくて、他の何物が人生の目的だろうか。私はたゞ、私自身として、生きたいだけだ。 | デカダン文学論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 110 | 人生 | 学問とは、限度の発見にあるのだよ。大ゲサなのは、子供の夢想で、学問じゃないのです。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 111 | 人生 | 見るからに醜悪で、てんで美しくはないのだが、人の悲願と結びつくとき、まっとうに胸をうつものがある。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 112 | 人生 | 好きなものを好きだという、好きな女を好きだという、大義名分だの、不義は御法度だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ見つめることが先ず人間の復活の第一条件だ。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 113 | 人生 | 最後のギリギリのところで、孤独感と好色が、ただ二つだけ残されて、めざましく併存するということは、人間の孤独感というものが、人間を嫌うことからこずに、人間を愛することから由来していることを語ってくれているように思う。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 114 | 人生 | 罪悪感を他に転嫁する口実が成りたてば、子供は潔癖好きのブレーキをすてて、好奇心の方へ一方的に走りたがる。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 115 | 人生 | 子供の自発的なブレーキに理解がなく、徒にシツケの厳格を誇るのは手前勝手で、子供が反逆して事を起すに至っても、自分がお手伝いしていたことには気付かず、親の義務をつくしたことを確信しているのが多いらしい。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その一 判官巷を往く』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 116 | 人生 | 私は、思うに、孤独感の最も激しいものは、意志力を失いつつある時に起り、意力を失うことは抑制力を失うことでもあって、同時に最も好色になるのではないかと思った。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 117 | 人生 | 私は弱者よりも強者を選ぶ。積極的な生き方を選ぶ。 | 恋愛論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 118 | 人生 | 時間というものを、無限と見ては、いけないのである。そんな大げさな、子供の夢みたいなことを、本気に考えてはいけない。時間というものは、生まれてから、死ぬまでの間です。 | 教祖の文学 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 119 | 人生 | 自我の確立のないところに、真実の道義や義務や責任の自覚は生れない。 | 咢堂小論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 120 | 人生 | 自分と人は違うものだ。人間関係も環境も、まったく人によって別々なのが人間というものの在り方で、したがって人間関係を解く公式というものは永遠に在り得ない。めいめいが自分の一生を自分で独自に切り拓くべきものである。 | 我が人生観 | 『我が人生観(八)安吾風流譚』 |
| 121 | 人生 | 自分よりもお堂の方が立派だということを、ミイラどもは告白しているのである。彼らは人を見下していたが、いつも人に負けていた。そして、ほかの人には造れない大きなお堂をつくらないと、安心できなかった。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 122 | 人生 | 失敗せざる魂、苦悩せざる魂、そしてより良きものを求めざる魂に真実の魅力は少ない。 | デカダン文学論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 123 | 人生 | 親がなくとも、子が育つ、ウソです。親があっても、子が育つんだ。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 124 | 人生 | 人間の、また人生の正しい姿とは何ぞや。欲するところを素直に欲し、いやな物はいやだと言う、要はそれだけのことだ。好きなものを好きだという、好きな女を好きだと言う。 | 白痴 | 『白痴』 新潮文庫 |
| 125 | 人生 | 人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり、脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 126 | 人生 | 人間は生きることが、全部である。死ねば、なくなる。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 127 | 人生 | 人間を愛すな、といったって、そうはいかない。どの人間かも分らない。たぶん、そうではなくて、ただ人間というものを愛し、そこから離れることのできないのが人間なのではあるまいか。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 128 | 人生 | 人生はつくるものだ。必然の姿などというものはない。 | 教祖の文学 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 129 | 人生 | 生と死を論ずる宗教だの哲学などに、正義も、真理もありはせぬ。あれは、オモチャだ。 | 教祖の文学 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 130 | 人生 | 青春ほど、死の翳を負い、死と背中合せな時期はない。 | 暗い青春 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 131 | 人生 | 堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 132 | 人生 | 男女の関係に平和はない。人間関係には平和は少ない。平和をもとめるなら孤独をもとめるに限る。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 133 | 人生 | 犯罪というものは、ともかく当人がギリギリに追いつめられてセッパつまった感があるから、救いもあるし、憎めないところもあるのが普通である。 | 我が人生観 | 『我が人生観(八)安吾風流譚』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 134 | 人生 | 悲しみ、苦しみは人生の花だ。悲しみ苦しみを逆に花さかせ、たのしむことの発見、これをあるいは近代の発見と称してもよろしいかも知れぬ。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 135 | 人生 | 非常に当然な話だけれども、信念というようなものがなくて生きているのは、あんまり意味のないことである。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 136 | 人生 | 物資の秩序をハッキリさせることを知らない人は、所詮不明朗不健全で、本当の精神の価値を知らないのである。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その二 大岡越前守』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 137 | 人生 | 問題は、伝統や貫禄ではなく、実質だ。 | 日本文化私観 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 138 | 人生 | 遊びせむとや生れけむ 戯れせむとや生れけむ 遊ぶ子供の声きけば わが身をぞこそゆるがるれ 悲しい歌だ。我々はこの悲しさから脱出することができるだろうか。 | 我が人生観 | 『我が人生観(四)孤独と好色』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 139 | 人生 | 要するに、生きることが全部だというより外に仕方がない。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 140 | 人生 | 立派なことだから後悔しないと云うのではない。愚かだけれども、後悔してみても、所詮立直ることの出来ない自分だから後悔すべからず、という、いわば祈りに似た愚か者の情熱にすぎない。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 141 | 人生 | 歴史というお手本などは生きるためにはオソマツなお手本にすぎないもので、自分の心にきいてみるのが何よりのお手本なのである。 | 教祖の文学 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 142 | 人生 | 表面の綺麗ごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、真実の悲鳴を賭けねばならぬ。堕落すべき時には、まっとうに、まっさかさまに堕ちねばならぬ。道義退廃、混乱せよ。血を流し、毒にまみれよ。先ず地獄の門をくぐって天国へよじ登らねばならない。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 143 | 人生 | 青年は先ず「ひとり」であることが大切だ。そうして、自分とは何者であるか、何を欲し、何を愛し、何を悩み、何を悲しんでいるか、それを自覚し、そして自分自身を偽らぬことです。 | 青年に | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 144 | 人生 | 桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分かりません。あるいは「孤独」というものであったかも知れません。なぜなら、男はもはや孤独を怖れる必要がなかったのです。彼自らが孤独自体でありました。 | 桜の森の満開の下 | 『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』 岩波文庫 |
| 145 | 人生 | 生きてみせ、やりぬいてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。いつでも、死ねる。そんな、つまらんことをやるな。いつでも出来ることなんか、やるもんじゃないよ。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 146 | 人生 | 青春の動揺は、理論よりも、むしろ、実際の勇気に就てではないかと私は思う。 | 暗い青春 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 147 | 人生 | 人間の慾は常に無い物ねだりである。そして、勝利も同じことだ。真実の勝利は、現実に所有しないものに向って | 三十歳 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 148 | 人生 | 人間は意思することによって、又、意思するものの中に、自分の姿を見出す以外に法がないと言えるであろう。 | わが精神の周囲 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 149 | 人生 | フグに徹しラムネに徹する者のみが、とにかく、物のありかたを変えてきた。 | ラムネ氏のこと | 『白痴・青鬼の褌を洗う女』 講談社文芸文庫 |
| 150 | 戦争 | いのちを人にささげる者を詩人という。唄う必要はないのである。 | 特攻隊に捧ぐ | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 151 | 戦争 | 運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである。 | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 152 | 戦争 | 個人の自由がなければ、人生はゼロに等しい。何事も、人に押し付けてははならないのだ。 | 戦争論 | 『戦争論』 青空文庫POD(ポケット版) |
| 153 | 戦争 | 残虐なのは戦争自体であって、原子爆弾には限らない。戦争と切り離して原子爆弾一つの残虐性を云々するのが不思議ではないか。 | 咢堂小論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 154 | 戦争 | 私は、闘う、という言葉が許されてよい場合は、ただ一つしかないと信じている。それは、自由の確立、の場合である。 | 戦争論 | 『戦争論』 青空文庫POD(ポケット版) |
| 155 | 戦争 | 他のためにいのちをすてる、戦争は凡人を駆って至極簡単に奇蹟を行わせた。 | 特攻隊に捧ぐ | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 156 | 戦争 | 敗戦後の日本に現れたニューフェースの筆頭は公認された日本共産党であったろう。しかし、これぐらい内容拙劣なニューフェースは他に例がなかった。 | 戦後合格者 | 『坂口安吾全集〈16〉』 ちくま文庫 |
| 157 | 戦争 | 美しいものの真実の発芽は必死にまもり育てねばならぬ。私は戦争を最も呪う。だが、特攻隊を永遠に讃美する。 | 特攻隊に捧ぐ | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ―無頼派作家の夜』 実業之日本社文庫 |
| 158 | 戦争 | 私は爆弾や焼夷弾に | 堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 159 | 戦争 | 一里二里は歩けという。五階六階へエレベータアなどとはナマクラ千万の根性だという。機械に頼って勤労精神を忘れるのは亡国のもとだという。すべてがあべこべなのだ。真理は偽らぬものである。即ち真理によって復讐せられ、肉体の勤労にたより、耐乏の精神にたよって今日亡国の悲運をまねいたではないか。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 160 | 戦争 | 私はこの戦争のおかげで、原子バクダンは学問じゃない、子供の遊びは学問じゃない、戦争も学問じゃない、ということを教えられた。大ゲサなものを、買いかぶっていたのだ。 学問は、限度の発見だ。私は、そのために戦う。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 161 | 思想 | 日本に必要なのは制度や政治の確立よりも先ず自我の確立だ。本当に愛したり欲したり悲しんだり憎しんだり、自分自身の偽らぬ本心を見つめ、魂の慟哭によく耳を傾けることが必要なだけだ。 | 咢堂小論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 162 | 思想 | 天皇制だの武士道だの、耐乏の精神だの、五十銭を三十銭にねぎる美徳だの、かかる諸々のニセの着物をはぎとり、裸となり、ともかく人間となって出発し直す必要がある。さもなければ、我々は再び昔日の欺瞞の国へ逆戻りするばかりではないか。 | 続堕落論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 163 | 思想 | 女の代議士が三十何人も当選したのは結構なことで、女はともかく男よりは純真で裏のカラクリがすくなく手近かな正しい物をめざしてその実現をはかるという実質的なところが多く、日本の現状はむしろそういう実際の施設が必要な時です。 | 青年に | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 164 | 思想 | 虚無というものは、思想ではないのである。人間そのものに附属した生理的な精神内容で、思想というものは、もっとバカな、オッチョコチョイなものだ。キリストは、思想ではなく、人間そのものである。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 165 | 思想 | 思想とは、個人が、ともかく、自分の一生を大切に、より良く生きようとして、工夫をこらし、必死にあみだした策であるが、それだから、又、人間、死んでしまえば、それまでさ、アクセクするな、と言ってしまえば、それまでだ。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 166 | 思想 | 私は共産主義は嫌いであった。彼は自らの絶対、自らの永遠、自らの真理を信じているからであった。 | 暗い青春 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 167 | 自己 | 余は偉大なる落伍者となつていつの日か歴史の中によみがへるであらう (東京・豊山中学へ転校する際に新潟中学校の机の蓋の裏側に掘った言葉) | いずこへ | 『風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇』 岩波文庫 |
| 168 | 自己 | フロイドは病人の潜在意識をひきだし、それを病人に語らせたり指摘したりして開放することにより病気を治すことができるというが、私は信用しませんね。 | 安吾人生案内 | 『安吾人生案内 その三 精神病診断書』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 169 | 自己 | 私は、ねむるようにして、いつでも死ねる。ねむることと、死ぬこととが、もう実際にケジメが見えなくなってしまった。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 170 | 自己 | 人はなんでも平和を愛せばいいと思うなら大間違い、平和、平静、平安、私は然し、そんなものは好きではない。不安、苦しみ、悲しみ、そういうものの方が私は好きだ。 | 悪妻論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 171 | 自己 | 熱狂的な信仰を以て次から次へ堂々と死んで行った夥しい殉教者達が、然し、僕には時に無益なヒステリイ的な饒舌のみを感じ、不快を覚えることがあったのだ。 | 青春論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 172 | 自己 | 無論ボクは宗教にも文学にも人生にも救いなんか求めてはいない。 | スポーツ・文学・政治 | 『スポーツ・文学・政治』 Kindle版 |
| 173 | 自己 | 遊ぶためなら働く。贅沢のため浪費のためなら働く。けれども私が働いてみたところでとても意にみちる贅沢豪奢はできないから、結局私は働かないだけの話で、私の生活原理は単純明快であった。 | いずこへ | 『風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇』 岩波文庫 |
| 174 | 自己 | 俺の理性が痺れうるものならば――余は酒樽の冠を被り樫の大いなる | 木枯の酒倉から | 『木枯の酒倉から・風博士』 講談社文芸文庫 |
| 175 | 自己 | 酔うために飲む酒だから、酔後の行状が言語道断は申すまでもなく、さめれば鬱々として悔恨の | 酒のあとさき | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 176 | 自己 | 幼稚でも、青くさくても、泥くさくても、なんとか生きているアカシを立てようと心がけているのだ。年中酔い通すぐらいなら、死んでらい。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 177 | 自己 | 小説新潮の新年号に、林忠彦の撮影した私の二年ほど掃除をしたことのない | 机と布団と女 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 178 | 自己 | 是が非でも、生きる時間を、生きぬくよ。そして、戦うよ。決して、負けぬ。負けぬとは、戦う、ということです。それ以外に、勝負など、ありやせぬ。戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません。ただ、負けないのだ。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 179 | 自己 | 私の魂は今と変らぬ切ないものであった。この切なさは全く今と変らない。恐らく終生変らず、又、育つこともないもので、怖れ、恋うる切なさ、逃げ、高まりたい切なさ、十五の私も、四十の私も変りはないのだ。 | 石の思い | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 180 | 自己 | 私はまったく野心のために疲れていた。 その野心は、ただ、有名にたりたい、ということであった。 | 暗い青春 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 181 | 自己 | 私は私の精神を、医師や薬品にゆだねたことが失敗であった。意思にゆだぬべきであったのである。 | わが精神の周囲 | 『風と光と二十の私と』 講談社文芸文庫 |
| 182 | 創作 | しかしながら小説の技術というものが、修練と同時に、これも | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 183 | 創作 | それが生きている時は俗悪な実用品にすぎないものが、古典となる時に、芸術の名で生き残る。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 184 | 創作 | 芸術というものは、人間が落付きはらって、かゆいところへマンベンなく手がとどくような快適な実生活に実用品として役立つものではなく、目のとどかない不具の半面に夢や慰めを与えてくれる魔術のオモチャにすぎないものだ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(七)芥川賞殺人犯人』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 185 | 創作 | 芸術は、自然に勝らなければならないものだ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 186 | 創作 | 芸術は通俗であってはならぬが、いかほど俗悪であっても良い。人間自体が俗悪なものだから。 | 通俗と変貌と | 『通俗と変貌と』 Kindle版 |
| 187 | 創作 | 元来、傑作というものは、目がとどかない作品なのである。かゆいところへみんな手がとどくというのは、実生活には大そう便利であろうが、芸術の傑作にはならない。 | 我が人生観 | 『我が人生観(七)芥川賞殺人犯人』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 188 | 創作 | 粋や通なるものから血の通わぬ名人芸は生れるかも知れないが、本当に民衆の血とともに育つ一流の芸術は生れない。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 189 | 創作 | 政治が民衆を扱うとすれば文学は人間を扱う。 | 咢堂小論 | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 190 | 創作 | 生きながら、反時代的な粋や通に愛され、名人の名をうけるものは、生きている幽霊にすぎないのである。 | “歌笑”文化 | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 191 | 創作 | 単なる写実は芸術とは為り難いものである。言葉には言葉の、音には音の、色には又色の、もっと純粋な領域があるはずである。 | FARCEに就て | 『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』 岩波文庫 |
| 192 | 創作 | 美や芸術は、こんなところから、一番露骨な低いものから、地道に向上して、生れてくるものなのである。一応の手間が、かかるものだ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 193 | 創作 | 文学も、まア、そうだ。その人の限界は、だいたい二十代にそのキザシが確立されている。あとは技術的に完成するか、迷路を廻り路するか、そんな風にして、ふとっていくだけのことだ。 | 我が人生観 | 『我が人生観(二)俗悪の発見』 Kindle版 |
| 194 | 創作 | 文学者、もっと、ひどいのは、哲学者、笑わせるな。哲学。なにが、哲学だい。なんでもありゃしないじゃないか。思索ときやがる。 | 不良少年とキリスト | 『教祖の文学・不良少年とキリスト』 講談社文芸文庫 |
| 195 | 創作 | 文学上の大傑作はトマサンの一生と同じように実に目のとどかない作品であるが、現世の人情に盲いて目がとどかないのではなくて、技法によって百千のかゆいところを黙殺しているだけの相違である。 | 我が人生観 | 『我が人生観(七)芥川賞殺人犯人』 オンデマンド(ペーパーバック) |
| 196 | 創作 | 我々が知らねばならぬことは、身の上話のつまらなさではなく、身の上話を語りたがる人の心の切なさであり、あらゆる人がその人なりに生きている各々の切なさと、その切なさが我々の読者となったとき、我々の小説の中に彼等がその各々の影を追うことの素朴なつながりに就てである。 | 大阪の反逆 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |
| 197 | 創作 | 小説は、たかが商品ではないか。そして、商品に徹した魂のみが、又、小説は商品ではないと言いきることもできるのである。 | 大阪の反逆 | 『堕落論・特攻隊に捧ぐ』 実業之日本社文庫 |











