タグ:管理人「一日の労苦」, 2022(令和04)年, 昨年の実績, 昨年の総括, 今年の抱負, 中年の悲哀, PukiWiki, ライブラリ開発, プラグイン開発
2022/01/01
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
PukiWiki関連のことについては、本稿ではなるべく触れずに私設松本零士博物館の方で書こうと思うが、本サイトについて昨年を振り返って反省すると、やはりコンテンツ作りに時間が割けなかったことだ。
以前より企画している「聖地巡礼の旅」をコンテンツ化するどころか、本コンテンツで駄文をシタタメるのでさえ思うに任せていなかったのは、時間的な制約だけではなく、PukiWikiの標準仕様では現代のウェブサイトとして表現力が弱い、といった側面がある。
例えば「太宰の作品を一部引用して記事を書こう」と思っても、引用部分のページ表現がPukiWikiの標準仕様のままでは気に入らず、書こうという気にならなくなってしまう。
では、なぜシンプルなページ表現しか持たないnoteで記事を書くことがあるのか?と言えば、答えは簡単で「SNSに書き捨てるよりはマシだから」でしかない。
つまり、最初の頃は色々と試す意味で記事を書いてみたが、現在のnoteには大した記事は書いていない。本サイトを含め、自分が直接運営しているサイト記事の方が大切だし、かける労力も違うのだ。
はい、そこ! どっちも大した記事じゃないとか、本当のことを言うんじゃない!!
えー・・・ゆえに、「PukiWikiの表現力が弱ければ強化すれば良い」のであって、CSSに手を入れたりプラグインを開発したりする、時間と優先順位の問題となる。
予想外に時間はかかったが、昨年はWordPressで構築したサイトにも引けを取らない表現力を(本サイトを含め)PukiWikiで可能にしたと自負している。
また、昨年に関して言えば、太宰治「黄村先生言行録」での黄村先生の次のセリフ
小説も書いた、画もかいた、政治もやった、女に惚れた事もある。けれどもみんな失敗、まあ隠者、そう思っていただきたい。大隠は朝市に隠る、と。
出展:太宰治『津軽通信』(新潮文庫)所収「黄村先生言行録」
初出:『文學界』1943(昭和18)年1月号
を、ある意味痛感した一年でもあった。
まさか自分を「大隠」などとは思っていないが、どうも私は「黄村先生言行録」を、単なるユーモアに満ちた面白い短編で片付けられない。
この黄村先生こそが、井伏鱒二の『山椒魚』の毒気にあてられた太宰本人であるのは論を俟たないが、さて、執筆当時33歳の太宰が、なぜこのようなセリフを書いているのだろう。
太宰は大東亜戦争が開戦した1941(昭和16)年の11月に文士徴用を受けるも、身体検査で胸部疾患のため免除になり、翌12月8日に昭和天皇が開戦の詔書を発布している。
太宰はすぐに「十二月八日」を執筆して発表したようだが、翌1942(昭和17)年には点呼召集を受けて突撃訓練や軍人勅諭の暗誦をさせられ、ウンザリしていたのではないか。また、生母
1939(昭和14)年1月に井伏鱒二宅で美知子夫人と結婚式を挙げて以降、「富獄百景」や「女生徒」、「走れメロス」といった作品の執筆で文壇に地歩を築きつつあった太宰は、「東京八景」で次のように書いている。
東京八景。私は、その短篇を、いつかゆっくり、骨折って書いてみたいと思っていた。十年間の私の東京生活を、その時々の風景に託して書いてみたいと思っていた。私は、ことし三十二歳である。日本の倫理に於ても、この年齢は、既に中年の域にはいりかけたことを意味している。また私が、自分の肉体、情熱に尋ねてみても、悲しい哉それを否定できない。覚えて置くがよい。おまえは、もう青春を失ったのだ。もっともらしい顔の三十男である。東京八景。私はそれを、青春への決別の辞として、誰にも媚びずに書きたかった。
出展:太宰治『走れメロス』(新潮文庫)所収「東京八景」
初出:『文學界』1941(昭和16)年1月号
青春と決別した太宰は、戦時中に何を思い、何に絶望したのだろう。
太宰文学の中期から後期にあたる時期は、ちょうど大東亜戦争の開戦前夜とその終戦後の時期であるから、私は近現代史的に研究する必要があると思っているし、それは同時に坂口安吾や三島由紀夫の文学のより深い理解と、現代に通じるヒントがあるに違いないと思っている。
そこで今年の抱負だが、どれだけ近現代史の勉強が出来るのかは分からないものの、太宰を切り口に勉強して得た知見を本コンテンツの記事として書きたいと思っている。
また、CMSとしての機能的にも、ページやテキスト表現としても、私が開発したPukiWikiのライブラリとプラグインは一定以上のレベルに達したと思っているので、今年こそ満を持して1995(平成07)年の「聖地巡礼の旅」をコンテンツ化するつもりだ。
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