太宰治作品一覧を作成した意図と使い方について


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管理人「一日の労苦」(金木小学校 太宰治「微笑誠心」碑)

2024/02/11

まず、私は通話以外でスマホをほとんど使わない。
40年以上もパソコンをいじってるパソコン馬鹿だからなのもあるが、AndroidのマルチタスクもどきのようなOSで、小さい画面のスマホが便利だと思ったことがない。
それに私はLINEなんか使わない。Discordの方が遥かに良いし、何が悲しくて危険な韓国アプリを使う必要があるのか?と思っている。
そんな偏屈な私が太宰治作品一覧コンテンツを大幅に刷新した意図と使い方について書いてみようと思う。

太宰治作品一覧の意図  

正直なところ、本サイトのような太宰治専門サイトは人気がない
それは多分に私がコンテンツを作ったり、こうして記事を書く頻度が低いからでもあるし、それほど魅力的なコンテンツを発信していないせいだろうと思う。
ゆえに、Googleアナリティクスでちゃんとアクセス解析をしていないが、最近はYahoo!きっず(小学生?向けのポータルサイトのようだ)からの流入が一定数ある。
小学生あるいは中学生、いや、高校生や大学生でも、太宰について興味・関心を持ってくれるのは嬉しい。
そもそも太宰治作品一覧コンテンツは、私が「あの作品はどの文庫に収録されてたかな?」という問題を素早く解決するために作った。
私はパソコンで自在に検索が出来るし、個人的にはそれほど困らないのだが、本サイトの約7割近くがスマホユーザで占める
このままではスマホユーザが不便だな、と思っていた。
それに、太宰の作品を知ろうにも、失礼ながらネットにはロクな太宰作品の一覧がない。
まぁ、本サイトの太宰治作品一覧も以前はロクなモンじゃなかったが。

太宰治作品一覧 作成した意図と使い方

そこで、太宰作品を文庫で今でも買って読める新潮文庫とちくま文庫『太宰治全集』から、作品を50音順で並び替え、初出と収録されている書名を明らかにしようと考えた。
新潮文庫では多くの太宰作品が収録されているが、当然ながらちくま文庫『太宰治全集』でしか読めない作品もあるし、またその逆も真なりであって、それも明らかにしようと思い、その旨を備考欄に書いておいた。
私は新潮文庫とちくま文庫『太宰治全集』は相互補完関係にあると考えるし、今でも買って読める文庫としては十分だ。なにもフルの太宰治全集を紐解く必要はないだろう。
コンテンツを刷新してリニューアルするに際して、基本的に太宰の作品名は平易で誰でも読めるのだが、一部には読みにくい作品名があるため、蛇足だとは思うが作品名にはカナのルビを振った。
全4篇を書き下ろした「お伽草紙」はちょっと別にしても、全12篇の「新釈諸国噺」は7篇が書き下ろしだが、他の5篇の初出も明らかにしている。
太宰治ってどんな作品を書いたのか?」と思う若い人にも、「若い頃に読んだ」な大人にも、スマホではやはり情報量が多いから若干無理があるが、従来に比べて閲覧しやすくなったのではないかと思う。
備考欄には、作品について知っておいて欲しいトリビアを短く書いておいた。
そういった意味でも備考だけ読んでも楽しめるように、私が知っていることを書いた。楽しんで読んでもらえれば嬉しい。

太宰治作品一覧の使い方  

コンテンツを作った制作者が使い方を指南するのも変な話だが、ネットには色々な人がいるし、サイト運営者の意図していない、勘違いや見落としをしている人が実は多い。

太宰治 作品一覧(50音順)タイトル行

本サイトは「PukiWiki用ソートテーブル(表)プラグイン」を導入しているため、図赤枠の「タイトル行」の任意の列をクリック(タップ)することで、その列の内容から昇順または降順で並び替え(以下「ソート」と呼称)することが可能だ。
50音順での作品一覧では、No1~275までの一覧表になっている。
昇順とは、図の通り「No」列が 1・2・3・・・275 と小さい数字から大きい数字にソートすることを指し、降順は逆で「No」列が 275・274・273・・・1 と大きい数字から小さい数字にソートすることを指す。
では「No」列以外の、作品名や初出誌等の日本語(記号・ひらがな・カタカナ・漢字)はどうなるのか? 疑問に思うに違いない。
パソコンに限らず、コンピュータは文字(数字・記号・日本語等)を文字コードで識別している。
これは数字に限らず、日本語でも同じで、50音の昇順の並びになっているからソートはそんなに問題ない。
そして、文字列(テキスト)は必ず左から右方向に文字コードが評価される仕組みになっている。
ところが漢字の場合は音読みと訓読み、それに特殊な読みの場合があるため、非常にヤヤコシイ話になるので割愛するが、おおむね昇順または降順でソートが可能だ。
非常にザックリ表現すると文字コードは、次のような昇順の並びになっているのだ。

制御記号 < 記号 < 数字 < アルファベット < ひらがな < カタカナ < 漢字

そこで、なんでタイトル行の列を指定してソートすることに意味があるのか?という話になる。
初出日」列でソートした場合はおおむね作品が発表された順にソートされるし、「初出誌」や「収録書名」列でソートすると、作品が発表された雑誌や新聞、作品が収録されている文庫の書名ごとにソートされる。

太宰治 作品一覧(50音順)「収録書名」列でソートした結果

図は分かりやすく図赤枠の「収録書名」列を降順でソートした例だが、「収録書名」ごとにデータがソートされているのが一発で分かる。
例えば「雑誌『新潮』にはどんな作品を発表していたのだろう?」とか、「新潮文庫『グッド・バイ』にはどんな作品が収録されてたかな?」といった見方が可能になる。
太宰がどの雑誌や新聞に多く作品を発表したのか、それはいつ頃からで、いつ頃まで続いたのか、といったヒントにもなろう。
また、「備考」列にはちょっとしたトリビアも書いたが、作品発表時の名義(ペンネーム)も分かる部分については書いておいた。
太宰の略年譜と初出日を照らし合わせれば、本名の場合とそうでない場合の「違い」が何か分かるだろうし、初出日の年代の日本がどういう社会情勢であったのか、または初出日とその作品を書いた太宰の人生と近現代史をリンクさせることも、ある程度可能だろう。
やろうと思えば、中高生の夏休みの読書感想文や自由研究、はたまた大学文学部のレポートのヒントとして大いに活用することが出来るに違いない。

現在分かっている問題と課題について  

私が独自開発して本サイトに導入している「PukiWiki用ソートテーブル(表)プラグイン」は、標準でフィルタ機能を有しており、Excel(エクセル)のようにフィルタ処理が可能だ。
300件に満たない作品一覧データをフィルタ処理しても仕方がないと言えばそれまでだが、多角的に表データを分析するのには有効だ。
ところが、フィルタ機能よりも一覧表示やその他の機能を優先して開発したために、フィルタ機能部分のJavaScriptがそれほど完全ではないため、現状ではフィルタ機能は無効にしている。
それに、ソートはクリック(タップ)された列を基準に並べ替えを行うが、データとしては一覧表1行単位でのデータの比較であるから、どうしても左側項目に引っ張られてしまう(先述したように、コンピュータは左から右方向にデータを評価して比較する)。
例えば「初出日」列でソートすると、その左側列の「作品名」列のデータに引っ張られてしまい、厳密には正しくソートが出来ていない。
これはスマホでの表示を優先させるために作品名にルビを振ったため、作品名の漢字部分が先に評価されてしまうのが原因なのだが、厳密にソートしようと思えば作品一覧の表形式データの改造と、プラグインのプログラムレベルでの検証とテストが必要だ。
また、やはり情報量が多いため、スマホでの表示も現状では限定的なので、一覧表を左にスワイプしたら右端の「備考」列まで表示できるようにした方がベターだろう。
PukiWiki用ソートテーブル(表)プラグイン」のバージョンアップ要件とその実現方法は、ある程度対策とそのコードの実装について考えているが、バージョンアップ開発とテスト、そしてリリース作業に時間がかかるのは言うまでもない。

データベース的な使い方をしてみる  

太宰治作品一覧の応用的な使い方として、作品名が分かったら、本サイト内で関連するページを検索してみるのも手だ。
本サイトは「PukiWiki用レスポンシブ対応サイト内非同期検索プラグイン」を導入しているため、作品名をキーワードとして本サイト内の全ページをデータベースのように検索できる。
データベースってなに?と聞こえてきそうだが、ウィキペディアの内容はチト分かりにくいと思うので、あえてコトバンクから、データベースの意味を引いてみたい。

〘名〙 (database) コンピュータで、いくつかのデータファイルを一つに統合し、データを構造化して、各データの検索更新を効率化したもの。

コトバンクデータベース

これも、私からすれば言葉の定義としてはどうもシックリこないが、要するに「データを構造化して検索や更新を効率化する」という点に尽きる。
太宰治作品一覧表形式のデータは、各列に必要なデータを管理者の私が入力・更新することで「データを構造化」しており、それが本サイトで利用しているPukiWikiでは容易なので、現にコンテンツとして作成した。
それに留まらず、PukiWikiのページ情報はウィキ用のマークアップ言語で構造化されており、テキストでサーバに保存されているため、非同期で高速にページ内容を検索できる。
というか、ブログと違ってウィキシステムそのものが「データベース」足り得るのだ。
例えば太宰の作品「人間失格」を本サイトで検索してみよう。

サイト内検索で「人間失格」を検索してみる

上記はパソコンでの画面であるが、図赤①のように「サイト内検索」テキストボックスに「人間失格」と入力し、図赤枠の「検索」ボタンをクリック(タップ)する。

本サイトでの「人間失格」検索結果

すると、図のように「人間失格」が含まれるページのリンクとページ内容が表示され、黄色く反転してマークアップされる。
検索結果ページを下にスクロールし、興味があるページがあれば「人間失格」について記述があるページにリンクで飛べるようになっている。

本サイトでの「人間失格」検索結果(ページ下スクロール)

図は太宰治名言集ページでの「人間失格」に該当する箇所を表示している。
当該ページを閲覧したい場合は、図赤枠の「太宰治名言集」リンクをクリック(タップ)すれば良いのだ。

おわりに  

太宰治作品一覧コンテンツは、あくまでも(現在のところ)新潮文庫とちくま文庫『太宰治全集』に収録されている作品の一覧でしかないため、個々の作品をガイドする役割は持たない。
ただし、初出日・初出誌・収録書名を網羅し、現実に書店やネットで購入可能な文庫を明示しており、さらに適宜備考で作品を補足している。
前述したように応用次第では学業にも役立つだろうし、趣味の文学や太宰ファンにとっては資料的価値があるだろうと思う。
ともあれ太宰治作品一覧コンテンツを含め、個人的に開発しているPukiWiki用プラグインその他は作ったら終わりではないし、太宰の作品についても本サイトのコンテンツページは今後もさらに豊富になっているハズだ(多分)。
私は「どうしたらもっと良くなるか」を常に考え、本サイトを運営している。
もし本サイトについて要望や苦情等がある場合は、ぜひ本ページ下のコメントか、【お問い合わせ】フォームからメッセージを送信していただきたい。
すぐには対応が取れない場合が多々あると思うが、可能な限り善処する。

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